遺伝学初歩 — 劣性 / 共優性 / het の基礎
第一節 はじめに
本記事は、本サイトの計算機 (/calc) で扱う「het」「visible」「super」「possible het」を読むための基礎を整理したものである。計算結果の意味を確認する補助資料として用意した。
第二節 劣性遺伝とは
劣性 (recessive) は、片方だけでは表現に出ず、両方が同じ allele で揃ったときに現れる性質を指す。劣性 allele を a、野生型を A と置くと、
AA→ 野生型 (not = 持たない)Aa→ 表現は野生型のままだが、隠れてaを持つ (het)aa→ 表現として現れる (visible)
の 3 状態がある。本サイト計算機の het は Aa、visible は aa に対応する。
劣性形質が visible で現れるには、両親いずれもが a を渡せる必要がある。het × het (Aa × Aa) の Punnett 平面では AA : Aa : aa = 1 : 2 : 1 となり、visible は 25%、het は 50%、not は 25% で出現する。
図 1. het × het の Punnett 平面 (
Aa × Aa → AA : 2 Aa : aa)
第三節 共優性 (不完全優性) とは
共優性 (co-dominant) または不完全優性 (incomplete dominant) では、片方を持つだけで中間形 (het 表現) が現れ、両方揃うと別の表現 (super 表現) になる。野生型を W、共優性 allele を H と置くと、
WW→ 野生型WH→ het 表現 (= visible とは別の中間表現)HH→ super 表現
の 3 状態となる。HH の super 体が致死 (lethal) として知られる allele もある。ニシアフでは Whiteout が代表で、本サイトの計算機では致死を含む組み合わせを分離し、致死分を除外した相対値も併記する。
第四節 possible het の読み方
possible het (= 33% / 50% / 66% het) は、親の交配履歴から推定される het 確率である。たとえば het × het から生まれた子のうち visible 以外を取り出すと、AA : Aa = 1 : 2 となり、het 確率は 66% (= possible het 66%) と表記する。
possible het は、後から visible が出れば het 確定、出なければ評価が変わる、という時間方向の更新を含む。本サイトの計算機は出現時点の確率を表示するため、世代を超えた更新は別途追跡したい。
参考文献
- 本サイトの計算機
/calcで実際に Punnett 平面と確率を確認できる。 - 用語の英語表記や allele 記号は、海外のモルフ販売ページ (MorphMarket Morphpedia 等) と整合させている。